ロシア男性、後頭部に伸びた11センチの角を除去 医師も驚愕「医師人生で初」

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ロシア・タタールスタン共和国の都市ナベレジヌイェ・チェルヌイで、30歳の男性が頭部から伸びた“悪魔の角”のような腫瘍を切除する手術を受けた。

現地メディアの報道によれば、男性が第5市立病院を訪れたのは、後頭部から突き出た長さ約11センチの角状の腫瘍(皮角)が原因だった。この皮角は見た目のインパクトもさることながら、睡眠を妨げるほどの痛みと不快感をもたらしていたという。

医師も驚愕、「25年のキャリアで初」の巨大皮角

執刀を担当した医師は、「このような大きさの皮角を扱うのは、25年の医師人生で初めてだった」と現地メディアに語っている。通常、皮角は皮膚の老化現象の一種とされ、直径数ミリから数センチ程度の小さな隆起にとどまる。しかし今回のように、皮膚の角化細胞が異常増殖し、硬化して“角”のような形状になる例は極めて稀だという。

男性の腫瘍は皮膚の深部にまで入り込み、血管組織に浸潤し始めていた。医師によれば、この状態を放置すれば、悪性腫瘍に変異するリスクも否定できなかったという。さらに、患者の家族歴や生活環境が複雑に絡み、急速に成長した可能性も指摘されている。

医学的にも珍しい巨大皮角、過去にはインドや中国でも記録

市立第5病院によれば、ロシア国内でこれほど大きな皮角の除去手術はほとんど前例がないとのこと。巨大な皮角は、医学史上フランスやインドなどで記録があるほか、中国では近年、額から角のような突起が生えた高齢女性の症例も報道された。一方で、ロシア国内で今回のように10センチ超の皮角を切除するケースは極めて稀だという。

「悪魔の角」の正体「皮角」とは?

皮角とは、皮膚の角質層が異常に厚く硬化し、動物の角のように盛り上がった病変のこと。見た目のインパクトから「悪魔の角」「鬼の角」などと呼ばれることもある。その主成分はケラチンで、髪や爪と同じたんぱく質だ。

皮角自体は多くの場合良性だが、その根元に皮膚がんや前がん病変が潜んでいるケースもある。特に1センチ以上に成長したもの、炎症・出血があるものは、精密検査が必要とされる。

皮角の発生要因としては、紫外線、加齢、ウイルス感染、慢性的な摩擦などが挙げられ、高齢者に多く見られる。今回のように、比較的若い年齢で10センチを超えるサイズにまで成長するのは極めてまれであり、皮膚の異常を軽視せず、早期に医療機関を受診することの重要性を示す症例と言える。