前代未聞「ドーピング容認」のスポーツ大会が開催決定…WADAは強く非難

ドーピングを容認した前代未聞の国際スポーツ大会「エンハンスト・ゲームズ（Enhanced Games）」が、2026年5月21日から24日にかけて米ネバダ州ラスベガスで初開催されることが発表された。この大会は、従来のオリンピックとは一線を画し、運動能力向上薬（Performance enhancing drug；PED）の使用を公然と認める点で大きな注目を集めている。

公式サイトによると、エンハンスト・ゲームズでは薬物検査を行わず、アスリートが「科学の力で自らの限界を押し広げる」ことを肯定する立場を取っており、競技は陸上、重量挙げ、水泳など複数分野で構成される予定だ。大会主催者は、「人類の新たな可能性を示す場」だとし、すでに水泳競技で『世界新記録を樹立した』との主張もなされている。

この発表に対し、世界アンチ・ドーピング機構（WADA）は「極めて危険で無責任な試みだ」と強く非難。米国アンチ・ドーピング機関（USADA）のトラビス・タイガートCEOも、「エンハンスト・ゲームズの背後にいる者たちは手っ取り早く利益を得ようとしているのかもしれないが、世界中の子どもたちが夢を追いかけるためにドーピングが必要だと考えてしまう代償を伴うだろう」と強く警告した。

SNSでは、「人間の限界見てみたい」「いっそ完全に薬物使用を解禁した方がフェアでは？」といった意見が一部であるものの、「倫理も健康も無視した『見世物』でしかない」「短期的にも長期的にも選手の健康を壊すだけ」といった批判的な声が多い。

主催者側は「すべての参加者が自らの選択とリスクを理解したうえで参加する」として、安全性には配慮していると強調しているが、専門家は「ステロイドやその他の実験的な薬物を摂取することによるリスクや危険性を過小評価している」と警告している。