インド洋に浮かぶ北センチネル島に米国人YouTuberが無許可で上陸し、インド当局に逮捕された。この島は「世界で最も孤立した部族」として知られるセンチネル族が暮らす地であり、外部からの接触は法律で厳しく禁じられている。
海外メディアの報道によると、逮捕された人物は、24歳のアメリカ人YouTuberミハイロ・ヴィクトロヴィッチ・ポリャコフ氏。彼は島にココナッツとダイエットコークの缶を持参し、岸に置いて立ち去ったという。接触の様子は本人のカメラにも記録されており、警察は違法侵入の容疑で捜査を進めているという。
海外メディアの報道によると、逮捕された人物は、24歳のアメリカ人YouTuberミハイロ・ヴィクトロヴィッチ・ポリャコフ氏。彼は島にココナッツとダイエットコークの缶を持参し、岸に置いて立ち去ったという。接触の様子は本人のカメラにも記録されており、警察は違法侵入の容疑で捜査を進めているという。
via ポリャコフ氏はタリバン支配下のアフガニスタンを車で旅するシリーズなどをyoutubeに投稿していた。
過去には上陸した米宣教師が殺害された事件も
北センチネル島は、インドのアンダマン・ニコバル諸島に属し、面積は約60平方キロメートル。島には人口およそ150人前後と推定されるセンチネル族が暮らしており、外部との接触を拒み、狩猟採集を中心とした伝統的な生活を続けているとみられている。インド政府は、部族の保護と感染症リスクの回避を目的に、島の周囲3マイル(約5km)以内への接近を法律で禁じている。
via © Christian Caron
2018年には、アメリカ人のキリスト教宣教師ジョン・アレン・チャウ氏(当時27歳)が、センチネル族を改宗させる目的で北センチネル島に上陸し、部族に矢で射られて死亡した事件が国際的に報じられた。
チャウ氏は複数の仲介者を使い、島に近づくこと自体が違法であると知りながら、ボートで何度か接近を試みた末に上陸。部族に弓で射られ死亡したが、インド当局は島への立ち入りを禁止しているため、遺体の回収も行われなかった。
この事件をきっかけに、センチネル族の保護と未接触民族との接触リスクに関する議論が、国際社会でも高まった。
チャウ氏は複数の仲介者を使い、島に近づくこと自体が違法であると知りながら、ボートで何度か接近を試みた末に上陸。部族に弓で射られ死亡したが、インド当局は島への立ち入りを禁止しているため、遺体の回収も行われなかった。
この事件をきっかけに、センチネル族の保護と未接触民族との接触リスクに関する議論が、国際社会でも高まった。
国際団体が非難「無謀で愚かな行為」
このたびの事案を受け、先住民族の権利擁護団体「Survival International」は、次のような厳しい声明を発表している。
「これほど無謀で愚かな行為があるとは信じがたい。この人物の行動は、自身の命だけでなく、センチネル族全体の命を危険にさらしました。未接触の先住民族がインフルエンザやはしかなど、外部の一般的な病気に対する免疫を持たないことは広く知られており、それが壊滅的な影響を与える可能性があるのです」
また、同団体はインド政府に対し「センチネル族を宣教師、SNSインフルエンサー、違法漁業者、その他接触を試みるあらゆる人物から守る法的責任があります」と強く求めている。
「これほど無謀で愚かな行為があるとは信じがたい。この人物の行動は、自身の命だけでなく、センチネル族全体の命を危険にさらしました。未接触の先住民族がインフルエンザやはしかなど、外部の一般的な病気に対する免疫を持たないことは広く知られており、それが壊滅的な影響を与える可能性があるのです」
また、同団体はインド政府に対し「センチネル族を宣教師、SNSインフルエンサー、違法漁業者、その他接触を試みるあらゆる人物から守る法的責任があります」と強く求めている。