ミツバチ数千万匹が道路に放たれる…巣箱を積んだトラックが横転

アメリカ・ワシントン州北部のワットコム郡で現地時間5月30日、推定約7万ポンド（約32トン）のミツバチの巣箱を積載していた商業用トラックが横転し、数千万匹の生きたミツバチが周囲に放たれる事故が発生した。

同郡の保安官事務所の発表や現地メディアの報道よると、トラックはリンデン近郊のワイデカンプ・ロードを走行中に事故を起こしたという。

この事故で、巣箱の一部が道路に散乱し、中にいたミツバチたちが放たれた。郡保安官事務所によれば、事故直後からワイデカンプ・ロードは通行止めとなり、周辺200ヤード（約180メートル）以内には近づかないよう住民に呼びかけられた。

現場には、保安官事務所のパトロール隊員、郡の公共事業部局、さらに多数の熟練養蜂家が緊急出動。飛散したミツバチの回収と巣箱の修復作業にあたった。事故発生から数時間後には、現場対応は郡の緊急管理課に引き継がれ、最終的に20人を超える地域の養蜂家が協力して対応にあたったという。

当局は、「できる限り多くのミツバチを再び巣に戻し、女王蜂を中心に再統制させる『リハイブ』のプロセスを進めていた」と説明。現地報道によれば、翌朝までに大半のミツバチが巣箱に戻ったとされている。

なお、この事故による人的被害は確認されておらず、郡保安官事務所は「一般市民への直接的な健康被害の恐れはない」としつつ、蜂にアレルギーのある人や不安を感じる住民に対しては、州保健局のガイダンスを確認するよう注意喚起している。