放火犯、失敗し自ら炎に包まれ逃走…豪警察が防犯カメラ映像公開

via image:Facebook/Victoria Police
オーストラリア・ビクトリア州警察は5月28日、2024年にメルボルン北部キャンベルフィールドで発生した放火事件について、監視カメラ(CCTV)の映像を公開し、情報提供を呼びかけた。

事件が起きたのは2024年5月21日午前4時半過ぎ。現場はヒューム・ハイウェイ沿いの飲食店で、銀色のメルセデス・ベンツE240セダンが店舗の正面ドアを破壊して突入。その直後、助手席から降りた男が赤い燃料タンクを手に店内へ侵入した。

男は黒のパンツとフード付きパーカーを身につけており、バーエリア周辺に可燃性の液体をまき、火を放った。だがその際、男自身の衣服にも火が燃え移り、自ら炎に包まれる事態となった。

映像には、男が慌てて逃走を試みるも、衣服の炎を消すために地面に転がる様子が収められていた。男はその後、待機していた車に乗って現場を後にしたが、火災は消防の迅速な対応によって最小限の被害にとどまった。

なお、当該店舗は同年11月6日にも再び標的となっており、警察は一連の事件の関連性も視野に入れて捜査を進めている。

公開された映像に映る男は、身長170〜175センチ、がっしりとした体型で、オリーブ色の肌をしているとされる。現場で使用された車両は偽造ナンバープレートを装着していたが、既に発見・回収されている。

ビクトリア州警察の特別捜査班のグレアム・バンクス警部補は、「この事件は、放火の予測不能さと極めて危険な本質を如実に示している。容疑者は重大な火傷を負い、治療が必要になった可能性が高い」と指摘。

さらに、「火をつける実行犯たちは、組織の背後にいる黒幕の“操り人形”に過ぎず、しばしば重大な、場合によっては生涯にわたる火傷を負う事になる」と警鐘を鳴らした上で、「我々はこの犯罪とそれを取り巻く争いを終わらせるために全力を挙げているが、市民の協力が不可欠だ」と強調した。

警察は映像を見て容疑者に心当たりのある人物、または事件に関する情報を持つ者に対し、匿名でも通報が可能な犯罪情報サイト等を通じて情報提供するよう呼びかけている。