トラック運転手、火災現場で機転　建物にトラック寄せ飛び降りた男性救助…称賛の声続々

アイルランド・ダブリン市内で先月23日、建物火災の現場に偶然通りかかったトラック運転手が、機転を利かせて男性の命を救うという出来事があった。勇気ある行動を取ったのは、ポーランド出身でダブリン在住の配達ドライバー、トマシュ・ザレバ（Tomasz Zareba）氏。

BBCなど海外報道によれば、同日午前8時過ぎ、ダブリン中心部のグランビー・ロウ地区の建物から火の手が上がり、すでに一人が歩道に飛び降りて負傷していた。ザレバ氏は配送中に火災現場に遭遇。3階の窓から助けを求める男性を見て、即座に自身のセミトレーラーをバックさせ、建物の下に寄せて停車。屋根に飛び移れるようにし、結果としてその男性は屋根に無事着地して救出されたという。

BBCのインタビューに対してザレバ氏は、「一人の男性が窓から叫んでいました。背後には炎が迫り、下には高さがあるため、どうすることもできない様子でした」と振り返っている。

Dublin Fire Brigade（ダブリン消防局）もその後、公式Facebookを通じてザレバ氏に感謝の意を表明し、消防署長から表彰プレートを授与したことを報告。「火災現場から人々を救助するために彼の配達トラックを巧みに配置した迅速な行動を称えました」と記している。

この投稿には数百件を超えるコメントが寄せられ、「彼には市民勇敢賞を与えるべきだ」「とにかく素早く、正しい判断だった。誰にでもできることではない」「我が子に見せたい、真のヒーロー像だ」など称賛の声が相次いでいる。

なかには「映画のようなワンシーンだった」「キャプテン・アイルランドと呼びたい」など、冗談交じりにその行動をたたえる投稿も見受けられた。

なお、ダブリン消防局によると、現場で7人が治療を受け、3人が病院に搬送されたという。