車椅子アイドル、“女性にAEDためらい”風潮に異議『命は何より尊い』 反響続々「勇気ある発言」「訴えられたら嫌」

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アイドルユニット「仮面女子」のメンバーであり、車椅子アイドルとしても知られる猪狩ともかが、13日に自身のX(旧Twitter)を更新し、女性に対するAED使用をめぐる議論に対し、強い私見をつづった。

猪狩は冒頭、「SNSで“女性が倒れていても助けるな!”“女性にAEDを使うのはリスク高いから放置”といった声が散見されていて悲しい」と、近年ネット上で目立ち始めた“救助への萎縮”に触れた。

猪狩自身は2018年4月、東京都文京区・湯島聖堂で強風により倒れた案内板の下敷きとなり、脊髄損傷の大けがを負っている。命の危機に直面したその場面で、彼女を助けたのは通りすがりの男性だった。

「AEDではありませんが私は脊髄損傷の事故に遭った際、男性に看板の下敷き状態から助けていただき、とても感謝しています。もしその男性が上記のような考えの持ち主でしたら、私は放置されて今生きていなかったかもしれません」

そう語る猪狩は、“女性に触れること自体がトラブルを招きかねない”という懸念が、結果として人命を軽んじる方向へ働いてしまっている現状を危惧しているようだ。

「“触るな!”と言っている一部の女性の意見も正直理解できません。その言葉が多少なりとも、貴方以外の女性の命を危機に晒していることに気付けないのでしょうか?命の危機にそんなこと気にしていられなくないですか?」

事故当時を振り返り、「男性に触られたら恥ずかしいとか、下着を見られたら恥ずかしいなんて頭の片隅にもなかった」とも述べており、「ただ今の苦しみから救ってほしいということだけでした」と、命を最優先に考えた自身の切実な体験を明かした。

そして、こう締めくくっている。

「どんな議論が巻き起ころうと私は命は何より尊いし優先されるものだと思います。助けを必要としている人がいたら無条件で助ける、そんな世の中であってほしいです。もし私にAEDが必要でしたら遠慮なく使ってください」

この投稿は、14日午前10時時点で3万件以上の「いいね」と6500件以上のリポストを集めるなど大きな反響を呼んでいる。

ネット上には、「勇気ある発言ありがとうございます」「こういう考えの人が居るってだけで少しは世の中が輝いて見える」「たしかに、命に勝るものはない」といった賛同や共感の声が多数寄せられた。また、「女性にそう言って頂けると助かります」と、救助する側の立場からの安堵の声も見られた。

一方で、「他の女性はそうではないかもしれない」「でも助けて訴えられたら嫌だ」「その一部の女性のせいでリスク回避してるだけ」といった、訴訟リスクなどを懸念する声や、「善意のつもりで人助けすることを躊躇する世の中になってしまった」と、現状を憂う意見も上がっており、SNS上では活発な議論が続いている。