男性は初回デートでおごるべき?婚活200人調査で見えた“本音と建前”のギャップ

恋愛・結婚情報サービス「エンジェル」が実施した婚活アンケートによれば、初回デートにおける支払いをめぐって、現代の婚活男女が抱える“本音と建前のズレ”が明らかとなった。調査は、20代から40代以上の婚活中の男女200人を対象に行われたもので、令和時代の「おごり文化」の実態に迫っている。

初デート、「男性がおごった」が77% でもそれが“本音”とは限らない

調査によれば、実際の初回デートにおいて「男性がおごった」と回答した人は全体の77%に上った。従来の恋愛観が残るなかで、「初回は男性が払うべき」という価値観が婚活の場でも色濃く残っていることがうかがえる。

だが、その実態を掘り下げると、必ずしも“納得ずく”の支払いではないケースも多いことがわかった。クロス集計の結果、「男性がおごったが、本音は割り勘がよかった」と答えた人が61名、「割り勘だったが、本音はおごってほしかった」とする人が10名にのぼり、合わせて71名(全体の35.5%)が「実際の支払い」と「本音」が一致していなかったことが判明した。

つまり、初回デートにおける3人に1人以上が、心のどこかで“モヤモヤ”を抱えていたのである。

「男性が払うべき」が最多派 婚活現場に残る“経済的リード”の価値観

興味深いのは、200人中93人が「男性がおごった」「本音としても男性が払うべきだった」と考えていた点だ。依然として「男性が経済的にリードすべき」とする価値観が根強く残っていることがわかる。

特に結婚相談所を通じて婚活しているケースでは、「初回デートでは男性が支払うように」とアドバイザーからの指導がある場合も多く、その影響も考慮される。

出会いの場によって変わる「おごり率」 最も高いのはマッチングアプリ

また、今回のアンケートでは出会い方別に「初回デートで男性がおごった割合」も調査された。その結果は以下の通り。

・マッチングアプリ:80%
・結婚相談所:78%
・身の回り(職場・友人など):15%

特にマッチングアプリでの出会いは、恋愛感情を醸成するプロセスが重視される傾向にある。エンジェルでは、「おごるという行為が、恋愛のシグナルとして機能している可能性がある」と指摘する。すなわち、恋愛関係を築く意思を相手に伝えるための“無言のメッセージ”として「おごり」が活用されているというわけだ。

一方、身の回りの関係性から発展した恋愛では、「もともとの関係性があるゆえに、恋愛スイッチが強く入っておらず、結果的に割り勘になるケースが多い」と分析している。

婚活のしんどさをなくすたった一つの方法

婚活において、本音では「割り勘がいい」「おごってほしい」と感じていても、相手の反応を気にして言い出せない、あるいは期待に応えようと無理をしてしまう…こうした本音と建前の乖離が、婚活を疲れさせる最大の要因のひとつかもしれない。

エンジェルは、婚活のしんどさをなくす方法について、「自然にいられて、自分のいいところだけ背伸びして見せられ、悪いところはお互いに笑って包み込み合える関係を選び取りましょう。それはどこかの美女やイケメンを手に入れれば勝手に与えられるものではなく、あなた自身が自分を深く知り、同じように自分を謙虚に見つめることができた相手と、お互いに選び合えること」と強調する。

婚活はゴールではない。スタートでもある。大切なのは、結婚後も自然体でいられる関係を築くこと。そのためには、“いい人”を演じるのではなく、素の自分と相性のいい相手と出会うことが重要だ。

恋愛の常識も、ジェンダー観も多様化する時代。今改めて問われているのは、「おごるべきか?」という表層的な問いではなく、「その人と、本音で向き合えているか?」という深い問いなのかもしれない。