中国が「蚊サイズ」の監視ドローンを開発 軍事・諜報への活用に懸念の声も

中国・湖南省にある国防技術大学(NUDT)の研究チームが、超小型の“蚊サイズ”の監視ドローンを開発したと発表した。New York Postなど複数の海外メディアが報じている。

この小型ドローンは、中国中央テレビ(CCTV)の軍事専門チャンネル「CCTV-7」を通じて公開された。映像では、NUDTの研究者が実物を手のひらに乗せて紹介し、「これは蚊のようなロボットです」と述べている様子が確認できる。

このドローンは羽ばたく翼と極細の脚を備え、一見すると本物の昆虫のようにも見える。サイズは約0.6cm程度とされ、建物内に気づかれずに侵入できるほどの小ささだ。こうした極小サイズの利点により、ドローンは建物の内部や狭い隙間にも入り込み、監視・偵察といった任務に特化した設計となっているという。

一部モデルには超小型のカメラや音声マイクも搭載されており、スマートフォンでの操作が可能。動力には極小のリチウム電池を用いているという。

現時点での実用性は不明だが、この発表を受け、国際的には懸念の声も上がっている。一部では、こうした技術が中国政府による市民監視や諜報活動に悪用されるのではないかとの指摘もある。また、将来的に生物兵器や化学物質を搭載した“兵器ドローン”としての展開を警戒する見方もある。