ハワイで、ドローンを使って空から蚊を約4,000万匹も撒くという一風変わったプロジェクトが進められている。米メディアVOXや米国の野鳥保護団体「American Bird Conservancy」が報じたところによると、これはハワイ固有の鳥たちを「鳥マラリア」という感染症から守るための対策だという。
■ 鳥マラリアが固有種を襲う
ハワイには、ハチドリのような鮮やかな色合いの鳥「ハニークリーパー」をはじめとする、固有の野鳥が数多く生息している。しかし現在、これらの鳥たちは深刻な脅威にさらされているという。
その正体は「鳥マラリア」という感染症。外来種である蚊が媒介するもので、元々蚊がいなかったハワイの鳥たちは免疫を持たず、感染するとほぼ死に至る。すでに何十種もの鳥が絶滅し、残る17種のうち多くも絶滅寸前という。
温暖化により、かつて蚊が生息できなかった高地にも蚊が広がっており、事態は一層深刻化している。
その正体は「鳥マラリア」という感染症。外来種である蚊が媒介するもので、元々蚊がいなかったハワイの鳥たちは免疫を持たず、感染するとほぼ死に至る。すでに何十種もの鳥が絶滅し、残る17種のうち多くも絶滅寸前という。
温暖化により、かつて蚊が生息できなかった高地にも蚊が広がっており、事態は一層深刻化している。
■ ドローンで「不妊化した蚊」を山に散布
この危機に対処するため、科学者たちは蚊の数を根本的に減らす新たな手法に乗り出した。
その方法とは、「不妊化したオスの蚊」を放出することで繁殖を抑制するというもの。使われているのは「Wolbachia(ウォルバキア)」という細菌に感染させた蚊で、これにより交尾しても卵がかえらなくなる。
この蚊は病気を運ばないオスのみで、人や鳥を刺すこともない。
従来はヘリコプターで投下していたが、2025年からはドローンを使った新たな散布方法がスタート。アメリカン・バード・コンサーバンシー(ABC)などの環境団体が進めるこのプロジェクトでは、約23,000匹の蚊を搭載できるドローンが森林上空を飛び、紙製カプセルに入れた蚊を投下していく。
これにより、ヘリでは届きづらい狭く急峻な森林エリアでも作業が可能になった。
その方法とは、「不妊化したオスの蚊」を放出することで繁殖を抑制するというもの。使われているのは「Wolbachia(ウォルバキア)」という細菌に感染させた蚊で、これにより交尾しても卵がかえらなくなる。
この蚊は病気を運ばないオスのみで、人や鳥を刺すこともない。
従来はヘリコプターで投下していたが、2025年からはドローンを使った新たな散布方法がスタート。アメリカン・バード・コンサーバンシー(ABC)などの環境団体が進めるこのプロジェクトでは、約23,000匹の蚊を搭載できるドローンが森林上空を飛び、紙製カプセルに入れた蚊を投下していく。
これにより、ヘリでは届きづらい狭く急峻な森林エリアでも作業が可能になった。
■ 人にも自然にも無害な「虫で虫を制す」作戦
このWolbachia蚊を使った生態管理法は、すでに中国やメキシコなどでデング熱対策として実績があり、ヒトの健康にも環境にも悪影響はないとされている。
ハワイでは、この方法によって蚊の数を減らし、マラリアの拡大を抑えて鳥たちの生息地を守ることを目指している。専門家は「Wolbachiaは遺伝子組み換えでも殺虫剤でもない。生態系へのリスクが少なく、安全性が極めて高い」と説明しているという。
ハワイでは、この方法によって蚊の数を減らし、マラリアの拡大を抑えて鳥たちの生息地を守ることを目指している。専門家は「Wolbachiaは遺伝子組み換えでも殺虫剤でもない。生態系へのリスクが少なく、安全性が極めて高い」と説明しているという。