逮捕された容疑者:FBI Los Angeles公式X...

逮捕された容疑者:FBI Los Angeles公式Xより引用

アメリカ司法省は年6月4日、カリフォルニア州パームスプリングスの不妊治療クリニックで発生した自爆テロ事件に関連し、共犯の疑いでワシントン州の男を逮捕したと発表した。男は事件後にポーランドへ逃亡していたが、現地当局により身柄を拘束され、ニューヨークの空港で米連邦捜査局(FBI)により逮捕された。

逮捕されたのは、ワシントン州ケント在住のダニエル・ジョンヨン・パク容疑者(32)。パク容疑者は、2025年5月17日にクリニックに車両爆弾を突入させ自爆したガイ・エドワード・バートカス容疑者(25)に対し、大量の硝酸アンモニウム(爆発物の原料)を送付・支払いしたとされる。

起訴状によれば、パク容疑者は爆破の数か月前にバートカス容疑者宅を訪れ、1月25日から2月8日まで滞在。その間、両者は爆薬に関する「実験」をガレージで共同で行っていたという。捜査当局は、事件後にこのガレージから爆弾製造に使われる化学物質を多数発見している。

パク容疑者は事件の4日後に欧州へ出国し、5月30日にポーランドで拘束された。FBIとポーランド当局の連携によりアメリカへ送還され、6月4日にニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で逮捕された。現在、連邦法違反としてテロリストへの物的支援提供の容疑で起訴されている。

バートカス容疑者は、極端な反出生主義・死肯定主義思想を掲げていたとされる。これは「人は本人の同意なしに生まれるべきではなく、存在しないことが最善である」とする過激思想で、当局によればパク容疑者もこれと同様の信念を共有していた。

司法省の発表によると、バートカス容疑者は爆発の直前にAIチャットアプリで硝酸アンモニウムと燃料による強力な爆発の方法を検索していた記録がある。さらにパク容疑者は、爆発の数日前に追加で約40キログラムの硝酸アンモニウムの購入費を支払っていたとされる。

米司法長官パメラ・ボンディ氏は声明で、「女性と母親を支援する施設に対して暴力を加えるという行為は、我々が共有する人間性そのものを否定する残酷で卑劣な犯罪である」と非難。「ポーランド当局の協力に深く感謝し、法の最大限をもって起訴に臨む」と述べた。

またFBI長官カシュ・パテル氏は、「このような国内テロ行為に関与する者には、厳正な法の裁きを下す」とコメントしている。

パク容疑者が有罪となった場合、連邦刑務所で最大15年の懲役が科される可能性がある。今後の審理は、米連邦地裁で行われる予定である。

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