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日本初の女性総理誕生が出版界にも影響を与えている。高市早苗総理大臣の就任をきっかけに、原田マハ氏の小説『総理の夫』(実業之日本社)が再び注目を集め、amazonの実業之日本社文庫カテゴリで売れ筋ランキング1位を獲得した。重版も決まり、累計発行部数は27万部を突破したという。

同書は2013年に単行本として刊行され、2020年には文庫新装版が発売された作品である。物語は、42歳の若さで第111代総理大臣に選出された相馬凛子と、その夫で鳥類学者の日和が「ファースト・ジェントルマン」として支える姿を描いた政界エンターテインメントだ。税制、原発、社会福祉など混迷する政治課題に向き合いながら、陰謀に立ち向かう女性総理の姿が読者の支持を集めてきた。

SNS上では、「『総理の夫』がついにリアルに登場した」「タイムリーだから読んだ」といった声が相次ぎ、現実の女性総理誕生を機に作品の世界観と現実が“重なる”状況に読者が反応している。

著者の原田マハ氏は「日本初!小説でも現実でも打てば響くような女性総理です。」とコメントを寄せている。
【文庫情報】

『総理の夫 First Gentleman 新版』
刊行日:2020年11月10日
定価:1.012円(税込)
体裁:文庫判
頁数:464頁 
Amazon:https://amzn.to/3LQ0VUj
Kindle版:https://amzn.to/48nDr1w
楽天ブックス:https://a.r10.to/hkYL4A

【著者プロフィール】

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨー ク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、2006年作家デビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回 山本周五郎賞、2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞、2024年『板上に咲く』で第52回泉鏡花文学賞を受賞。 ほかの著作に『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『星がひとつほしいとの祈り』『たゆたえども沈まず』『リボルバー』など多数。

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