チューインガムを噛むことで、唾液中にマイクロプラスチックが放出され、体内に取り込まれる可能性があることが、米研究チームのパイロット研究により明らかになった。この研究は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を中心としたチームによって行われたもので、3月23〜27日に開催される米化学会の学会で発表される予定だ。
マイクロプラスチックは、衣類やまな板、スポンジなど、日常的な製品からも発生することが知られているが、ガムもその供給源になり得るという点はこれまであまり注目されてこなかった。
マイクロプラスチックは、衣類やまな板、スポンジなど、日常的な製品からも発生することが知られているが、ガムもその供給源になり得るという点はこれまであまり注目されてこなかった。
1個のガムから最大3,000個 合成・天然の違いは見られず
アメリカ化学会(ACS)のプレスリリースによると、研究チームは、市販の合成ガム5種と天然ガム5種を対象に、1個のガムを4分間噛んだ後の唾液を分析。その結果、ガム1グラムあたり平均100個、多いもので600個のマイクロプラスチックが放出されていたという。一般的なガムは2〜6グラムであることから、1個あたり最大3,000個もの粒子が放出される計算となる。
また、天然ガムと合成ガムで放出されるマイクロプラスチックの量に大きな違いは見られず、どちらもポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどの共通するポリマーを含んでいた。
また、天然ガムと合成ガムで放出されるマイクロプラスチックの量に大きな違いは見られず、どちらもポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどの共通するポリマーを含んでいた。
咀嚼によって2分以内に放出
粒子の大部分は、噛み始めてからわずか2分以内に放出されていた。放出の原因は唾液中の酵素ではなく、咀嚼による物理的な摩耗とみられている。実験では、8分間噛んだ時点で、最終的に検出されたマイクロプラスチックの94%がすでに放出されていた。研究者は、ガムを次々に噛み替えるのではなく、1個を長く噛むことで摂取量を減らせる可能性があると提案している。
なお、今回の研究では20マイクロメートル以上の粒子のみが検出対象であり、より小さなナノサイズのプラスチック粒子については今後の研究課題とされている。
なお、今回の研究では20マイクロメートル以上の粒子のみが検出対象であり、より小さなナノサイズのプラスチック粒子については今後の研究課題とされている。
環境への影響にも注意を
研究責任者のモハンティ教授は「唾液中に放出されるプラスチックは、ガムに含まれるプラスチック全体のごく一部にすぎない」とし、「使用後のガムを外に捨てたり、ガムの壁に貼り付けたりせず、噛み終えたガムを適切に処理することも、プラスチック汚染対策として重要である」と呼びかけている。