3月14日の"世界睡眠デー"を記念して、株式会社ポケモンが公開した『Pokémon Sleep』の調査結果が話題となっている。同調査によれば、日本は世界7カ国の中で最も睡眠時間が短いという、衝撃の結果が明らかとなった。
日本の平均睡眠時間、世界最下位
『Pokémon Sleep』は、ユーザーの睡眠を記録・サポートするゲームアプリ。今回の調査では、世界7カ国(日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ)の約1,700万人のプレイデータをもとに、睡眠の実態が分析された。その結果、日本の平日の平均睡眠時間は7時間1分と最も短いことが判明。一方で、休日と平日の睡眠リズムの差は18分と最も小さく、規則正しい睡眠習慣が根付いていることも示された。
この結果に対し、ネット上では「日本人は勤勉すぎる」「規則正しいけど寝不足って悲しい現実」といった声が寄せられており、日本人の生活習慣に対する懸念が広がっている。
ソーシャルジェットラグ、日本でも深刻な影響
調査では、平日と休日での入眠・起床時刻のずれ、いわゆる「ソーシャルジェットラグ」にも注目が集まった。ソーシャルジェットラグとは、平日と休日の生活リズムの違いによって、まるで時差ぼけのような症状が引き起こされる現象だ。
日本では、若年層ほどこのリズムの乱れが顕著で、10代の約26%がソーシャルジェットラグに該当するという結果に。特にSNSや動画視聴による夜ふかしがリズムを乱す要因となっており、ネット上でも「TikTokのせいで寝不足」「夜中のYouTubeがやめられない」といった声が多数上がっている。
日本では、若年層ほどこのリズムの乱れが顕著で、10代の約26%がソーシャルジェットラグに該当するという結果に。特にSNSや動画視聴による夜ふかしがリズムを乱す要因となっており、ネット上でも「TikTokのせいで寝不足」「夜中のYouTubeがやめられない」といった声が多数上がっている。
「ねむりの約束」で改善の兆しも
興味深いのは、『Pokémon Sleep』の「ねむりの約束」という機能が、ユーザーの睡眠習慣に良い影響を与えていることだ。これは、就寝時間を設定し、その時間を守ることでゲーム内のキャラクターと約束を交わす仕組みだが、約半数のユーザーが「予定を切り上げて睡眠を優先した」と回答している。
実際に、「ポケモンと約束したから寝る」「推しポケモンのために夜更かしをやめた」といったユーザーの声も見られ、ゲームが生活習慣の改善に寄与している様子が伺える。
実際に、「ポケモンと約束したから寝る」「推しポケモンのために夜更かしをやめた」といったユーザーの声も見られ、ゲームが生活習慣の改善に寄与している様子が伺える。
睡眠の質を高めるために
睡眠学者の柳沢正史教授は、「ゲームをきっかけに、睡眠を優先するという考え方への転換が起こるのは素晴らしいこと。ソーシャルジェットラグにならないようにするためには、平日にも十分な睡眠時間を確保し、睡眠不足を残さず、休日も同じくらいの時刻に眠って起きるのが理想」と語る。特に、平日と休日のミッドスリープタイム(睡眠の中央時刻)をできるだけ揃えることが、ソーシャルジェットラグの予防につながるという。
日本の睡眠時間が世界で最も短いという事実は、多忙な現代社会の影響を如実に表している。ソーシャルジェットラグを防ぎ、質の高い睡眠を確保することが、健康な生活への第一歩だろう。