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神奈川県の小学校で給食運搬用エレベーターが故障し、保護者や地域住民が給食を階段で運び上げる事態が約1カ月半も続いたことが読売新聞オンラインで報じられ、ネット上で大きな物議を醸している。

報道によれば、エレベーターが故障したのは3月中旬。調理業者の操作ミスが原因で、一部部品が破損したという。3月中は調理員と教職員が運搬し、新年度に新たな調理業者に変更。しかし、業者からは契約にない運搬の協力が得られなかったため、学校側は地域住民や保護者に協力を依頼。毎日5~10人がボランティアで集まり、2階から4階の教室まで、1クラス分のおかずが入った鍋などを階段で運び上げていたという。

ネットで飛び交うさまざまな声

この出来事は、ネット上で大きな反響を呼んだ。「保護者等の対応は素晴らしい」「給食って生徒たちで運ぶものだと思ってたけど違うんだ?」「昔は当たり前に階段で持って上がっていた」「美談にして終わらせるべきでない」といった様々な声が寄せられている。

とりわけ、「学生に運ばせる訳にはいかなかったのか?」という意見が多くみられ、「自分が子供のときは一階の給食室から4階の教室まで給食当番が階段で運んでた」「児童が自分達で運んでぶちまける悲劇は今は無いの?」と、自身の小学生時代の記憶を語る声が目立った。これに対し、「熱い汁物を児童に運ばせるのは危険」「誤って落とした場合の責任問題もある」として、安全面を重視する立場から現状を支持する声も根強い。

また、そもそも今回のような故障が発生した背景には、エレベーター設備の設計や保守体制にも問題があったのではないかとの指摘もある。操作ミスで故障してしまう構造そのものに疑問を呈する声や、古い設備に対する部品確保の遅れ、メンテナンス契約の不備など、自治体と業者双方の責任を問うコメントも目立った。

さらに、「これって無給なのかな?」「美談にするのでなく、運搬した分のお金ぐらい払ったらいいのに」といった無償での運搬作業に対する疑問の声も上がっている。

一方で、「保護者が協力して子どもたちを支えたことは素晴らしい」「地域で学校を支える姿勢に感動した」「子供達は改めて親御さんたちの愛を感じたのではないでしょうか」といった肯定的な意見も少なくなく、この問題を通じて“地域と学校の関係性”を再認識する機会になったとの声もある。

なお、給食の運搬手段は学校設備によって異なり、エレベーターの有無は自治体や建物の築年数によって大きく差がある。文部科学省の「小学校施設整備指針」では、エレベーターの設置について、障害のある児童・教職員の在籍状況や給食運搬の必要性などを踏まえて総合的に検討すべきとされている。

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