ベルギーの慈善団体APOPOはこのほど、同団体が育成した地雷探知ネズミ「ロニン(Ronin)」が、ギネス世界記録に認定されたと発表した。ロニンは2021年8月からカンボジア北部プレアビヒア州で地雷探知活動を行っており、これまでに109個の地雷と15発の不発弾を発見。合計124の爆発物を検知したという。
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この功績は「ネズミが探知した地雷の最多数」としてギネス記録に認定され、地雷除去活動における“ヒーローラット”の重要性を世界に示すものとなった。

ロニンは2019年8月13日にタンザニア・モロゴロで生まれたオスのアフリカオニネズミ。現在はカンボジアのプレアビヒア州で任務に就いている。全長68cm、体重1,175gと小柄ながら、好物はアボカド。性格は「勤勉でフレンドリーかつリラックスしている」という。

アフリカオニネズミが地雷探知に適している理由は、その鋭い嗅覚にある。爆発物に含まれる化学物質の匂いを嗅ぎ分けるため、金属探知機では見つけられないプラスチック製の地雷なども発見できる。また、体重が軽いため地雷を踏んでも爆発の危険がなく、広範囲の土地を短時間で効率的に探査できる。人間が数日かかる地雷原も、ネズミならわずか数十分で安全確認が完了するという。

APOPOは「ロニンのようなヒーローラットたちのおかげで、地域住民は土地を安全に取り戻し、生活を再建できる」と意義を語っている。ロニンは今後も少なくとも2年以上、地雷探知任務を継続する予定とのことで、自身の持つ世界記録をさらに更新することが期待される。

現在、APOPOの公式サイトではロニンの活躍を紹介する動画や、ネズミたちを支援する「養子縁組プログラム」も展開されている。人間の力ではカバーしきれない地雷除去の現場で、小さなネズミが今日も静かに命を救い続けている。

HeroRAT Ronin Breaks Guinness World Records® title

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