(17796)

大学図書館の美術書に掲載された古典名画の裸体が、黒マジックで無惨に塗りつぶされている──そんな衝撃的な写真が数年前、画像投稿サイト「Imgur」に投稿され、大きな話題を呼んだ。

問題の写真には、ルネサンス期などの古典美術作品に描かれた裸体や肌の露出部分が、黒いマジックで丁寧かつ容赦なく塗りつぶされている様子がはっきりと記録されていた。

修正は一部にとどまらず、人物画の胸元や腰回りなど、ページをめくるごとに現れる“肌”という“肌”すべてに、徹底した修正が加えられていたのである。

中でも特に注目を集めたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナ・リザ」までもが“検閲”の対象となっていた点だ。もともと露出度のきわめて低い肖像画だが、そのわずかな胸元の陰影すらも問題視されたのか、マジックで丁寧に塗りつぶされていた。
image:imgur/scopecreepstudio (17791)

via image:imgur/scopecreepstudio
image:imgur/scopecreepstudio (17792)

via image:imgur/scopecreepstudio
image:imgur/scopecreepstudio (17793)

via image:imgur/scopecreepstudio
投稿者によれば、この美術書はアメリカ・フロリダ州にある保守的なキリスト教系大学の図書館に所蔵されていたものだという。

この大学は、視覚芸術や音楽、演劇といった分野を通じてもキリスト教の教えを広めることを教育理念に掲げていることで知られている。こうした厳格な宗教的価値観が、美術書の扱いにも反映されていたと考えられる。

この一件をめぐっては、ネット上で驚きと批判、そして困惑の声が多く寄せられた。

「モナ・リザまで検閲? もともと何も見えてないのに」
「これは教育ではなく自己満足の信仰管理だ」
「ヌード=ポルノという認識自体が問題」
「黒マジックで塗る側の心のほうがよほど“不健全”では?」
「神が人間の体を作ったのに、それを恥ずべきものとして扱うのは矛盾している」
「敬虔なキリスト教徒として、これは理解できない」
「笑い事じゃない。こういう人々がアメリカで法律を作っているんだ」

ネット上でこの画像が再拡散されるたびに、「アートへの冒涜だ」「教育としてどうなのか」「信教の自由との兼ね合いは難しい」といった様々な意見が噴出し、繰り返し議論の対象となっているのも、この問題の根深さを物語っている。

関連する記事

ライター