人類最古の“落書き”？スペインで発見された20万年前の謎の線刻に注目集まる

ヨーロッパ有数の観光地、スペイン・マルベーリャで、驚くべき考古学的発見が報告された。マルベーリャ市当局は2025年3月12日、チャパス地区の「コト・コレア」遺跡で、約20万年前の可能性がある線刻を持つ石が発見されたことを明らかにした。

この地域は1950年代に旧石器時代の石器が発見されたことで知られ、考古学的保護区域に指定されている。今回の線刻石は、2022年に発掘された石器群の中に含まれていたガブロ（火成岩）のブロックで、その表面の中央付近には、人為的に刻まれたと思われる2本の直線が交差する線刻が確認されている。

市の説明によると、この線刻は自然にできたものではなく、明確な意図のもとに描かれた可能性があるという。

仮にその年代が20万年前だと確定し、なおかつ人為的な線刻と認められれば、それは現在知られている最古の洞窟壁画（約4万年前）をはるかにさかのぼる、人類史上最古級の「象徴的表現行為」の一つとなる可能性がある。

研究を主導する文化・教育・歴史遺産部門では、現在、この石の分析とデジタル記録を進めている。3Dスキャンによって線刻の全体像を高精度で把握し、どの線が単なる加工痕で、どの線が意図的なグラフィックかを見極めようとしている。また、周囲の堆積物から採取した石英を用いた年代測定も進められており、より精緻な年代が今後明らかになる見込みだ。

科学的検証が終わり次第、市は各種イベントや公開活動などを通して、発見の意義を広く市民に紹介する予定だという。