テレビドラマ「野ブタ。をプロデュース」の特別編について、当初は1話、2話のみの放送予定だったが、好評につき、3・4話の放送が決定した。

1話の放送時、主演の亀梨和也は、ドラマが放送された2005年当時は19歳、ほっそりした顔つきに体重は40キロ台。Twitterでは「亀梨くん、ガリガリだった」「痩せすぎ」と驚く声が上がった。それもそのはず、十代という年頃もあるが、2005年の亀梨はまだジャニーズJr.だったが、年間でオフが5日しかないほどの売れっ子だったからだ。

2005年の亀梨はドラマ3本に出演、ライブ20公演以上など大忙し

KAT-TUNはまだデビュー前だが、2005年当時の亀梨の主な活動をふりかえってみよう。

・KAT-TUNライブ 2004年12月~2005年1月に『KAT-TUN LIVE 海賊帆』を東京、名古屋、大阪で開催。2005年3月、『Spring 05 Looking KAT-TUN』を横浜アリーナで4公演開催、5月より初の全国ツアー『Looking KAT-TUN 2005』を全国5都市で14公演開催、さらに8月に横浜アリーナにて再追加公演を3日間6公演行う。

・テレビドラマ 1月~3月の『ごくせん(日テレ系)』第2シリーズに出演、9月『金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件(日テレ系)』に主演、10月~12月『野ブタ。をプロデュース』に主演。

・テレビ番組 4月より音楽バラエティ番組『ミンナのテレビ(日テレ系)』にレギュラー出演。11月『バレーボール・ワールドグランドチャンピョンズカップ(グラチャン)』の応援プロデューサーにKAT-TUNが就任。グラチャン応援企画として10月より『KAT-TUNだ!グラチャン 応援プロジェクト』、11月にスポーツバラエティ番組『ひらめ筋GOLD(日テレ系)』に、ジャニーズJr.チームとしてHiramekin Goldチームとバレーボール対決。『ザ少年倶楽部(NHKBS』にも数多く出演。

・CDデビュー 11月、修二と彰として『野ブタ。をプロデュース』の主題歌『青春アミーゴ』をリリース。亀梨のソロ『ごくせん』第2シリーズ挿入歌『絆』が収録される。

・CM もぎたて果実(ロート製薬)、ロートCキューブ(ロート製薬)、プラスX(ロッテ)

「YOUがこけたらデビューはない」ジャニーさんの言葉にプレッシャー

これらの活動のほか、番組宣伝や『青春アミーゴ』ヒットに伴う歌番組出演など、大忙しの1年だった。『ごくせん』第2シリーズや『野ブタ。をプロデュース』の高視聴率、さらに修二と彰『青春アミーゴ』のミリオンヒットなどが呼び水になり、翌年3月、KAT-TUNのCDデビューが決まった。

しかし、実は亀梨が『青春アミーゴ』を発売することを知ったのはMV撮りの日。亀梨は「KAT-TUNがCDデビューする前にデビューするのは嫌だ」と複雑な思いでジャニーさんに拒否を伝え、その場で話し合ったという。このとき、山下智久は「亀が納得しないままやるのは良くない」と1時間ほど二人の話し合いを見守り、亀梨の気持ちに寄り添ったという。

その時、ジャニーさんが「YOUがこけたらKAT-TUNはデビューできない。まずKAT-TUNがドーンといくためにもっとYOUの名前を知ってもらわなければダメ。YOUの失敗はKAT-TUNの失敗だよ」と諭され、「それなら寝る間を惜しんで頑張るしかない」と、『青春アミーゴ』のリリースを受け入れたという。

人気があってもCDデビューが遅れてメンバーも諦めの気持ちになったというKAT-TUN。『青春アミーゴ』のヒット、亀梨の活躍がKAT-TUNのデビューを後押ししたのは間違いない。今ではテレビ出演で明るい笑顔が印象的な亀梨だが、Jr.時代からプロ意識が高く、「YOUは背負って生きていくんだよ」とジャニーさんに言われたようにKAT-TUNのフロントマンとして様々なものを背負い、ときに責任感で推しつぶされそうなときもあったようだ。いきなり環境が変わり注目され、自分が自分でなくなっていく息苦しさ、怖さ、戸惑いの中にいたことをのちのインタビューなどで語っている。

苦しさ、プレッシャーを乗り越え再び亀梨と山下がタッグ

舞台前は食事がとれないという亀梨。明るい性格と責任感を背負う強さと裏腹に繊細な一面を持つ。忙しいハードスケジュールと精神的な葛藤の中にあって、食事や睡眠がとれなかったり、不規則だったりする生活で、太れなかったのだろう。それでも、19歳というかけがえのない時期の亀梨の姿や特別な存在感を当時のドラマで感じることができる。

あれから15年を経て『野ブタ。をプロデュース』の再放送が話題になる。事務所、業界、亀梨と山下の立場、様々なことが変わりながらも、二人は第一線を走り続け、再びユニットとして活動するのは感慨深い。今夜、18日、第2話が放送されるが、亀梨和也と山下智久が『野ブタ。をプロデュース』に対する思いを語るメッセージも放送する予定だ。

〈ライター/佐藤ジェニー〉

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