トランプ氏、ウォルマートの値上げを批判「関税を顧客に請求すべきでない」SNSで波紋広がる

アメリカのドナルド・トランプ大統領が17日、自身のSNS「Truth Social」でウォルマートに対し、関税を理由に価格を引き上げるのをやめるよう強く求めた投稿が波紋を呼んでいる。

トランプ氏は投稿の中で、「ウォルマートは、チェーン全体の価格上昇の理由を関税のせいにしようとするのを止めるべきだ。ウォルマートは昨年、想定以上の何十億ドルもの利益を上げた。中国との関係の中で、関税は飲み込む（吸収）べきで、顧客に一切転嫁すべきではない」と述べ、ウォルマートが関税を理由に値上げの方針を発表したことに対し批判を展開。さらに「私は見ているし、あなたの顧客もそうだ」と締めくくった。

この投稿に対し、X（旧Twitter）上では、トランプ氏の主張に対する賛否両論が飛び交った。

トランプ氏に賛同する意見としては、「企業の貪欲さにはうんざりだ。ウォルマートに圧力をかけるべきだ」「値上げを関税のせいにして儲けようとしている」「ウォルマートのような高利益率企業はコストの上昇を価格に転嫁すべきではない」といった声が多く上がった。

一方で、トランプ氏の過去の発言との矛盾を指摘する声も多く、「トランプ氏は以前“関税は中国が払う”と言っていた。では今ウォルマートに『飲み込め』とはどういう理屈なのか」「トランプは今になって、アメリカの企業が関税のコストを顧客に転嫁することに気づいたのか」などと、関税の負担に関する疑問が呈された。

また、「関税の目的は輸入品の価格を上げ、国内製品に競争上の優位性を与えることだ。ウォルマートが関税を『吸収』すれば、関税は何を達成するのか？」と、関税政策の実効性自体に対する疑問の声も上がっている。

さらに、「これは資本主義に反する発言だ」「企業に損失を強いるのは国家主義や共産主義に近い」といった、トランプ氏の主張が自由市場の原則に反すると批判する声も相次いだ。

トランプ氏の投稿は、関税の負担、企業の価格設定、政治思想など、多岐にわたる論点を浮き彫りにし、SNS上で活発な議論を巻き起こしている。